2012-08-08

トラックボールM570をベアリング化改造! (Trackball M570 bearing hack)


【トラックボールをご存じない方へ】
トラックボール・トラボというのは、
マウスと同じ役割の機械です。偉大な入力機器です。



Step0: まずはこちらの動画をご覧下さい。できればフルスクリーンのHDで。




おわかりいただけただろうか。
要約すると、

ベアリング式は
トラックボールの最高峰なのです!


  • 濡れた手でさわれるのはベアリング式だけ
  • ポテチ食べた手でさわれるのが圧倒的にベアリング式
  • 放置して乾ききったボールのままで使えるのもベアリング式



Step1: まずは完成品を観察

これがその、


目玉の子
「数万円プレミアがつく」ベアリング式です。
目玉っぽい。かわいい。

そして、



ベアリングさん
ボールをどけた下には支持用ベアリングが……!



この目玉の子の機構を再現することにいたします。計測により、

  • 目玉の子のベアリングは外径が6mmでした。
  • 内径とシャフトの間にはけっこう隙間があります。
  • そしてシャフト(= 内側の軸)径が2mm。

同じ材料を買ってきて組み上げれば
ぼくでもベアリング式が再現できるはず!




Step2: お買い物

完成品を参考に同じ材料を買いましょうね。


ベアリング
ベアリングはどこに売ってるのっと。

決まってます。サイズ各種お取り揃え、東急ハンズです。
これは内径3mm・外径6mmのボールベアリング。



タミヤシャフト
こちらはタミヤのステンレスシャフト。

外径2mm×長さ10mmが10本入り。
近所の模型屋で100円ちょいでした。すげーお得。



グルーガンとホットメルト
あと、前からほしかったグルーガンもゲット。
ホットボンド3本付きです!



ホットボンドというのはホットメルトとも言いまして、
暖めるとローソクみたいに溶けてくっつく、という簡易式接着剤です。
失敗しても接着面を溶かせばやり直せるのが良いところ。

工作の準備ってワクワクしますね!
図工の成績は「がんばりましょう」でしたけどね!




ベアリングって最高にかっこいい
ボールがみえるキラキラ(*´∀`)




Step3: 支持球式のトラボを入手・分解

改造対象(今回の犠牲者V )の登場です。



にゅるっとしたM570
でんっ。



(分解中は書くことがないので、トラボの解説を入れます)

購入10ヶ月目のトラックボール、M570という機種です。
5ボタン×長寿命の無線式、Logicoolのニュースタンダード。

やみはこの機種の先々代からのファンでした。
M570はその最新型。
クオリティは既に「これを買わずしてどれを買う」のレベルです。
本気でオススメできる「はじめて買うトラボ」に仕上がっています。




ヘックスドライバーで分解
分解にはヘックスドライバーが必要です。星形のやつね。
底面にネジ1本、隠しネジ3本、だったかな。
保証がなくなるので注意。



そんなM570、やみも買ってからずっと快適に使っていたのだけれど、
このところボールの動きが渋い。とくに動き出しがカタい。

支持球のアルミナセラミックスが削れるのでしょうか?
いずれにせよこのあたりが小球点支持の限界という感じです。
M570のボールが軽い小玉なので、これが余計に目立っている様子。



かなりスッキリとした基板
上フタを開けると基板が露出します。
画面中央にあるのがカップと基板をつなぐフラットケーブル。



「支持球タイプの限界」ということであれば、
これはもうベアリングで克服するしかないですね!



カップ分離
フラットケーブルを引き抜くときは、まっすぐ慎重に。
このカップ自体は筐体に載せられているだけです。
ロジの伝統 *分解しやすい造り* すてき!



おお、かつてこれほど実用的な改造ネタがあっただろうか……!
快挙、これは快挙です!



光学センサーは外しておきましょう
光学センサーも簡単に分離できます。
外しておきましょう。
分解パートはここで完了!



萌えごみはじまって以来の快挙に向かって歩んでいるのだ――!




Step4: 支持球の除去


ここから先、失敗の可能性があります。
当然 後戻りもできません。



ドリルをスタートさせたらもう後戻りはできません
このドリルをスタートさせれば、もう後戻りはできません。



写真のドリルは、ダイヤモンドピット付きのミニルーターです。
ダイソーで300円でした。

そしてピットの先にある白い球体
これこそがボールの支持機構、アルミナセラミックスの小球です。
カップの球面からざっくり1mm弱飛び出して、ボールを支えます。

いざ、――!



支持球を外します
周囲のプラを削って支持球除去!



かなり無残
かなり無残な感じに、穴から除去されました。
ごめんなアルミナセラミックス。



残り2つの支持球も同じように除きましょう。



支持球が3つとも外れました
きれいに外れました。時計の軸受けとかに使えないかしら。



取り外した支持球の直径は1.8mmぐらいでした。
〝乾燥パスタの粉々になった切れ端〟をイメージすると
ちょうど近いかな、って大きさです。
わかりづらっ




Step5: カップに穴開けてベアリングを固定

元の支持球と同じぐらいの位置、つまり
カップから内側に1mm弱飛び出た位置に
ベアリング外縁が来なければなりません。

支持球の抜けた凹みをさらに拡張して、
ベアリング固定用の穴にしてしまいましょう!



ベアリングの入る位置をチェック
ベアリングの固定位置を予想しつつ、カップに穴を開けていきます。



ベアリングの固定位置はシビアです。
ベアリングが飛び出すぎるとボールが入りませんし、
逆に飛び出しが足りないとボールを支えられません。



結局、裏側に突きぬけるしかない
かなり大きく外側に飛び出ていますが、
このぐらいの場所に固定するしかないようです。



カップの厚さは2mmちょいだったので、
外径6mmあるベアリングの半分以上が外側に飛び出す計算になります。
組み立てたときに他の部品と干渉しないか心配。



シャフトは外側に置けそうです
ここは外に出そうか、



ここは内側にシャフト
内側に埋め込もうか。



内側に埋め込む方が、干渉が少なそうです。
なので内側から削っていきます。




シャフトマウンター
内側を削ります。



削って削って削って、削って……

いくら削っても足りない! 結局、
貫通。




位置が決まったらホットボンドで固定
最後にこうしてホットボンドで固定(仮止め)。




ベアリングはあと2箇所あります。
がんばれ、俺。




Step6: ボンドの位置を微調整 → カップに組み込んでテスト

ベアリングの位置はけっこうアバウトでもどうにかなります。

こ の 段 階 で は 。

とりあえず組み上がったカップだけでテストしてみましょう。




(フルスクリーン×HDならベアリングの動きが見えると思います)



なんか改造手術成功の手応えです。びっくりです。
いままでこの手の企画たいてい失敗してたきがする。

ボンドの位置を微調整したらひとまず完了。




Step7: 元の筐体に組み上げる。そしてトラブル発生(おやくそく)

カップに光学センサを取り付け、筐体にはめ込みます。

あれっ



3箇所にベアリングがつきました
はめ込みはしたものの……



……筐体に一番近いベアリングがせり上がってきています。
恐れていた他の部品との干渉ですね!



ボールが擦れる部分を削りました
削ります。また削ります。



いまさら怖いものとか無いのでガンガン削っちゃいます。
干渉する部品なんて無かったんやー!

干渉問題が解決したところで上蓋を取り付けて……



組み直したところ
出来上がり!



外からだと、接着剤の汚ったない処理とか見なくて済みますね!
いやー良いものができました。

でもねごめんボールが入らない。


はい。さいごまでトラブってくれます。
結局、上フタのボール枠も一部削りました。
おかげでユルユルですよユルユル。普段は問題ないけど、
ひっくり返すとボールが落っこちるようになってしまった。


何はともあれ、これで完成ッ! だッ!




Step8: 完成品の使い心地にうっとりする

できました! うはっ!



(HDにするとボールの動きとかよくわかります)

手許にM570をお持ちの方はぜひ較べてみてください!
ベアリングの優位性が一目瞭然!
ちなみに、実物はもっと静かです



すげえ。
なんと。
萌えごみの工作が文句なく成功してしまった。
この結末に自分が一番びっくりしています。





ぼくのかんがえた さいきょうの まうす

ぼくのかんがえた

さいきょうの

まうす



で……

そろそろ改造して1ヶ月になります。ほぼ毎日酷使していますが、
耐久性も問題無い様子で、性能低下は認められません。

そうとなれば、あとは仮止め用のホットボンドを
エポキシ接着剤にでも換えれば完璧ですね。できたー!

ベアリング化改造、とても、おすすめ。

8 個のコメント。書きます?:

ま said...

トラックボール改造〜で検索している途中で立ち寄りました。こんにちはです。

UPの動画を拝見する限り、優れてベア回転方向性に影響がなさそうに見えるのですが?実際いかがでしょうか?一方向にしか回転動性を持たないのに?相当極小なベアなら抵抗が少ないんでしょうか?それとも多少は重いのでしょうか?

pcallyの物を手にしてみたかったですー。今は販売していないのですかね?ググる限りでは。

また立ち寄らせていただきます^^。



ま said...

すません。投稿してからstep0を拝見しました・・・。ごめなさいー。

やみ said...

>>ま さん
ご覧頂きどうも! です!


>ベア回転方向性に影響がなさそうに見えるのですが?実際いかがでしょうか?
>一方向にしか回転動性を持たないのに?

影響ないのです! これが!

ラストの動画をご覧頂きますと、さいしょ円を描くようにボールを動かしていますね。ここで1周360度均等に抵抗が小さいことがわかると思います。

要因を考えてみますと、

・「回転方向が1方向」とはいえ、完全な軸並行でない限り斜めであってもベアリングが回転します。これが静止摩擦の低下に寄与します。

・また上記より(通常の範囲であれば)どの向きの動きを与えても、3つのうち少なくとも2つのベアリングは常にある程度以上回転してくれます。

・ベアリングが3つとも滑り摩擦になる動きもあります。3つのベアリングに対し同時に軸並行となる向きのことです。しかしこれは、通常の操作では使わない、カップの周方向に沿った回転のみです。

・さらに、上記ケースであっても、その抵抗は「多少滑りの渋くなった小球点支持タイプ」と同じくらいです(原理上は、ステンレス小球点支持と同一の支持形態になるためです。MS-TBOなどと同じですね)。


pcallyのQBallはずいぶん前に生産中止ですね……。入手を狙うならヤフオクのアラートを登録してひたすら待ちです。ぼくが落札したときは3.5万円が目安でした。ぶっちゃけ高いです。が、合理的な造りの素晴らしいトラボです。人差し指が好きならぜひお手許に!

>また立ち寄らせていただきます^^。
これからもよろしくです! とはいえトラックボールの記事は(ry

ま said...

>・・ここで1周360度均等に抵抗が小さいことがわかる・・

ふむふむ〜実に滑らかに見えますよ!

>・・斜めであってもベアリングが回転します〜少なくとも2つのベアリングは常にある程度以上回転・・・

そこで、拝見する限りではシャフトとベア内径との間にかなり隙間があるように思われます。ココがポイントなのかもしれません〜?

>カップの周方向に沿った回転のみ・・

それは確かに通常ではありませぬね。

・・・3.5まんえんを落札なさったというのは。。。かなりの勝負師さんなんですね。
今はサンワサプライSTREAMというTBMで、人差し指とその右隣指を絡めて使えるので、PCallyと操作性が非常に近そうなんです。
けれど3.5万円プレミア価格はー・・・むむむ〜という心境です。

トラックボール以外の写真も拝見させていただきました。^^
とても素敵なフォトでしたよ。
震災ご無事で何よりでしたね。こちらは横浜なので、ゆれただけでした。。。停電はしてたみたいですけど・星空なんて考えもしてない。。。

青春たくさんがんばてくださいねー!

ドクターペッパーに牛乳いれてみますー。^^

やみ said...

>拝見する限りではシャフトとベア内径との間にかなり隙間があるように思われます。ココがポイントなのかもしれません〜?

そのとおり! 軸に遊びがある分、ベアリング自体の向きが回転方向に引っ張られて斜めになりますから、軸並行の運動がより生じにくくなっていますね。

STREAMを使ったことはないのですが、人差し指型なのですね。このタイプはボールの配置に制約が少ないので、親指型よりもバリエーション多く百花繚乱の気があります。「猫のトラックボールルーム」さんなどのサイトでいろいろ機種をお調べになると面白いやもしれません。


写真はもっと思い通りの絵を撮れるようにならないと~状態です。
ドクターペッパーとかなつかしい…… まだ携帯写メのせてた頃じゃないですか!
工作ネタも検討中のがあるので、記事になることを祈っていてください(:D)rz

Anonymous said...

このところボールの動きが渋い。とくに動き出しがカタい。>3個の支持球をミシン油を少しぬり、ティッシュペーパー1枚(これがポイント)で余分の油を取り、このペーパーで青いでかい球を磨くとよいですよ。

Anonymous said...

この記事を参考に私もベアリング化しました。転がりがまるで別物になって素晴らしいですね!

Anonymous said...

直接手に触れるものなので機会油には抵抗がって食用油とか皮脂(汚い><)でごまかしてましたが、こちらの記事を参考にベアリング化に挑戦してみることにしました。